発信<2016.10.29.4.59>
「土佐の森方式軽架線」は、NPO法人土佐の森・救援隊が林地残材を活用するために考案したオリジナルの集材・搬出システムに使われています。
このシステムは、シンプルな架線(ワイヤー、滑車、ナイロンスリングベルトの組み合わせ)に軽ウインチ(林内作業車のウインチ又は単独ウインチを利用)を使った集積作業、及び林内作業車による搬出作業を組み込んだものです。
林地の状況により、作業工程・作業量はものすごく違いますが、おおむね、1日の森林ボランティア活動(ボランティアが4人一組のチーム)で、4tトラック1台分の林地残材を搬出することが出来ます。
【写真】現場(黒田さんちの森・第1期)での試行<いの町成山/2007.1>
【写真】試行では、A材は原木市場、C材はバイオマスプラントへ運搬、それを財源としてモリ券による「NPV活動」が始まりました。
この黒田さんちの森での試行は、林内作業車のウインチに代わり、初めて中古の軽ウインチ(二人で担げる重さで、軽トラで簡単に移動できる。)を使用して行いました。
架線の設置は簡単で、100mの架線でも、30分もあれば完了します。
軽ウインチを操作しているのは土佐の森方式軽架線の基本的アイディアを考案した山中さん(中土佐町/合路製作所)
滑車の付け方(基本)を写真で記録に残しておきます。
(この時代はキャリーがないので、3個の滑車が絡まり使い勝手が悪いものでした。その後、好永さんが絶妙なバランス<重さ・長さ>のキャリーを考案してくれ滑車の絡まりも解消、自然落下もスムーズに行えるようになりました。)
軽架線で間伐材(林地残材)を山土場に集積したあと・・・
林道まで林内作業車で運搬し、トラックに積み込みます。
土佐の森方式軽架線とは? その後、軽架線は高知県いの町枝川の綱屋産業(株)から『土佐の森方式軽架線キット』(20万円)として販売され、日本財団、国土緑化推進機構(緑の募金事業)などの助成対象機材になったことから
全国に普及、森林ボランティア活動、自伐林家の間伐搬出作業に使われています。
全国に普及・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆現在の改良型「土佐の森方式軽架線」
【写真】指導するのは坂本指導員(高知県本山町/吉野川森林救援隊)
このタイプ(緑色の動滑車)は横引きをすると動滑車にワイヤーが絡まるというトラブルが発生することが多々ありました。その後、綱屋産業が動滑車の改良を行い、現在のタイプ(白色の動滑車)では、そのトラブルは解消されています。