2016.10.27.5.38
■「
もとやまC材祭り」(10.3~11.30)
土佐の森グループとのコラボで9回行いました。今回の一連の活動は、本山町の地域おこし協力隊のメンバーが「自伐林業を実践したら・・・」というテーマで実証/実験事業を企画・実践したものです。
事業の実施主体は吉野川森林救援隊を引き継いだ「もとやま森援隊」&「木の駅ひだか」。
もとやま森援隊が主催する「森林ボランティアNPV活動」として隊員を募集し、多くの方の参加をいただき(延べ61人)、実質9日間、間伐・搬出・運搬活動を実施しました。
その間、自伐林業での経済的効果などのデータ取りを行いました。
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◆「もとやまC材祭り」の経済効果(データ)
【イラスト】C材で晩酌を!事業(画:四井玲子氏)
①生産額
A材・C材の搬出で、202,883円。
(A材・・・89本、12m3で 82,832円)
(C材・・・軽トラ40台、20トンで 120,000円)
一日の生産額は、22千円にしかなりません。現在、産業としての林業が置かれているレベルは、補助金、助成金など何もなければ、この程度です。この生産額では大規模林業はもちろんのこと小規模林業、自伐林業でも経営的にペイ(コストを捻出)するのは難しいことです。人件費というコストの要らないボランティア活動でもペイしません。
②雇用額
参加員数61人/日で、364,000円。
(A会員・・・40人で 280,000円)
(B会員・・・21人で 84,000円)
土佐の森グループのNPV活動ではボランティア1人分のコスト(参加実費負担)を4千円としています。(B会員/所得4千円のボラバイト)
また、軽トラで「
C材で晩酌を!事業」に参加した人はC材の代金3千円が上乗せされます。(A会員/所得7千円のアルバイト)
一日の雇用額は約4万円です。今回の自伐林業実証/実験事業(実践活動)では、1日1万円のコンプライアンス的賃金なら、4人の雇用が確保された、ということになります。
③モリ券発行数
総数234枚で、234,000円。
実費支給の青モリ券以外は、ほとんどが本山町の「本山さくら市」で地場産品と交換されました。
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モリ券とは?~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■成川レポート/FBより
◆午前9時の「本山さくら市」
3月3日、国道194号と439号を通って、本山町に間伐(「もとやま森援隊」の定例会)に出かけた。
山を吹き抜ける風は冷たかった。いつもそうなのだが、本山町までの439号では、市街地以外では、連れ違う車も人の姿もほとんどなかった。過疎の何たるかがひしひしと感じられた。
「もとやま森援隊」の集合は、いつも、午前9時「本山さくら市」ということになっている。この直販所の清潔で広い店内には、米、野菜、加工食品、木工品などが所狭しと並んでいるが、「生産者に気の毒ではないか」と言いたくなるほど安い。(成川順氏:写真/文)
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[参考]
■633美の森プロジェクト(自伐林業の実証/実験事業)
平成23年度に、NPO法人土佐の森・救援隊は、自伐林業が成り立つことを実証するため『633美の森プロジェクト「小規模・分散・低投資型林業」成立の実証/実験事業』を企画・実践しました。
同年11月29日、森林所有者/吾北生産森林組合<後に木の瀬森林整備組合>(組合長:安藤忠広氏)と事業実施主体/片岡財団<後に木の駅ひだか>(理事長<駅長>:片岡正法氏)との間で、土佐の森方式による「
森林整備協定」を締結。協定に基づく森林整備(間伐・搬出)は同12月から3ヶ月で完遂。
その後、搬出された木材(A材)は安藤製材所の移動式製材機(益製作所)で加工。さらに京都の松宮かおる氏の設計、安藤棟梁による施工により木造の「633美交流館」が建設されました。
なお、ここで得られた貴重なデータは、その後「農林中金80周年森林再生基金事業」の助成申請に活かされ、25年度の事業採択に繋がりました。
「633美の森プロジェクト」は、この試行に続き、平成25年度には「農林中金事業」及び「木の駅ひだか」の定例NPV活動として本格的に始動しています。
・633美の森プロジェクトの詳細は
ここから【写真】
森の仕事場「安藤製材所」(いの町吾北633美の森)