高知県佐川町。山あいの小さな町から、全国でも類を見ない画期的なプロジェクトが始まっています・・・続きは、
ここから
【写真】
キコリンジャー(地域おこし協力隊/高知県佐川町)
~~~~~~~~~~~~~~
[参考]
◆
近年の自伐型林業
◆
佐川町
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[新聞を読んで] 森援隊長 松本誓(高知市)
この新聞記事は、「先人が残してくれた宝ものをどうにか町の活性化につなげたかった」と語る佐川町の堀見町長がまず目をつけたのが「自伐型林業」・・・から始まり、読み進むと結びに「自伐型林業と次世代のものづくりが手を取りあった『佐川モデル』を全国へ発信し、広げていくこと、それが私の使命だと思っています。そう力強く語る堀見町長の目線の先には、新しい林業の未来がありました。」とあります。
佐川町堀見町長の「自伐型林業」の取り組み、及び「近年の自伐型林業」については参考資料のとおりで、その一連の流れを、家中茂氏(鳥取大学准教授)が「林業新時代」(注:1)と捉えています。
今、佐川町では、その「新しい時代の林業」に、さらにデザイン、デジタルを付加した「新しい林業プロジェクト」が始まっているそうです。しかし、記事からだけでは、何をデザインしているのか、デジタルを付加するとは何なのか、相対的に何が新しいことなのか、が見えてきません。「オリジナル工作ロボット」「教材としての事業化」などキーワード的文言は垣間見られますが、夢のある未来のシナリオを描くにはツールとしてはものたりないように思います。
とはいえ、このプロジェクトのプランナー(コンサル)は博報堂、出資は農林中金とも聞きます。業種や世代を超えた多様な視点からの知見が集まり、きっと素晴らしい「林業の未来」を描き出してくれることでしょう。期待しましょう。
佐川町では地域おこし協力隊員が任意団体「キコリンジャー」を結成して自伐型林業の研修・実践活動を行っています。堀見町長は、この第一期キコリンジャーの任期(3年)終了後、任意団体から株式会社に移行して「佐川モデル」を起業するようです。第一期生の卒業は来年(平成29年)の春、どのような「林業の未来」を描いてくれるのか、楽しみです。
【写真】滋賀県長浜市の地域おこし協力隊員らに作業の説明をするキコリンジャー=左端。自伐型林業を視察する団体が増えている(高知県高岡郡佐川町古畑耕/「
高知新聞2016.5.17」より)
なお、佐川町にはもともと佐川町を区域とする森林組合はありませんでした。それに代わるものとして第三セクターの林業会社「㈱
ソニア」が存在しました。「佐川モデル」での起業は、森林組合を新設するということにはならないでしょうから、やはり第三セクターの株式会社ということになるのでしょうか?いずれにせよ「㈱ソニア」が破綻した要因の「林業における構造的問題」を解決(改革)しない限り、資本投資、金融処置、財政出動を幾ら施してもうまくいかないことは目に見えています。
注1:
林業新時代(家中茂氏/鳥取大学准教授)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[広告] こうち自然村
■林業新時代(編著:家中茂/鳥取大学准教授)
「
林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来」(シリーズ地域の再生/第18巻)
大規模・高投資・高性能機械で材価も環境も破壊する集約化政策を超え、小規模・低投資・小型機械で仕事をおこす。
1 土佐の山間から――始まりへの予感
2 日本の森林の現実と研究及び政策との乖離
3 NPO法人「土佐の森・救援隊」を淵源とする「自伐林業」運動の全国への波及
4 自伐林業運動の展開
5 未来につなげる「責任ある林業」
・
あらまし
出版元は「
農山漁村文化協会」でネットで購入できます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~