2016.11.1.8.04
■風倒木被害に遭って・・・
【写真】風倒木被害(モネの森)
平成26年の暮れ、高知県森林組合連合会奈半利共販所の大川容平所長から相談を持ちかけられた。
所長によると『田野町の坂本某氏が来て、「風倒木被害にあったが、森林組合で風倒木を処理(伐採、搬出、販売)してくれないだろうか』との依頼があった。現地を調査した結果、現在の木材価格では販売しても処理経費が上回り、持ち出しがいることを説明したら「持ち出しをしてまでは・・・」と処理をあきらめたとのこと。で、NPOで何とか対応できないだろうか、という話。
「義を見てせざるは勇無きなり(
勇士の雄姿)」とばかり、森援隊(木の駅ひだか)のNPV活動(同じ田野町の「モネの森」でおこな行われている「
ひとり自伐林業」の延長)で引き受けることに。
早速、坂本氏(82歳)に連絡すると、「自分が若いとき植えて、手入れをしてきて、やっと売れるようになったと思ったのに・・・。大きな木なので売ればそこそこのお金になるのでは、と森林組合に相談したが持ち出しがいるとの事であきらめた。風で倒されたまま放置しなければならないとは何とも情けなくてやり切れない思いで一杯だ。処理経費は出せないが、木材はあげるから処理できるならして欲しい」との返事。
その結果、処理経費は不要の
土佐の森方式で伐採・搬出・運搬を行うことで合意、「土佐の森方式による
森林整備協定」を結ぶことに。
A材は原木市場(森連奈半利共販所)に出荷し、おそらくすずめの涙ほどの木材売上代金は森林所有者に、C材は「
C材で晩酌を!事業」でNPV活動の参加者が頂く、という条件で活動(仕事)を行うことに。
それやこれやで・・・、何と、平成26年の大晦日に「坂本氏の風倒木処理NPV活動」を3名の隊員及び森林所有者が参加して実施しました。実施主体は「
森援隊」です。翌、平成27年1月末にはA材の搬出・運搬は終了させましたが、C材の搬出に手間が掛かり、全てが終了したのは、平成27年8月になりました。
坂本氏のように、風倒木等を自分で伐採できない森林所有者は多いのではないかと思います。現在の木材価格では森林組合が正業としてやれない/出来ないことは致し方ありませんが、NPO、自伐林家などがNPV活動(自伐林業、もしくは自伐型林業/副業)として行うことはできます。これが自伐林業・自伐型林業/副業の「就労(仕事)の場づくり」について無限の可能性がある所以です。
但し、その仕事・・・、
①刻苦勤勉の正業・副業としてまともな生活を保障する法定賃金が生み出せれる(このケースは、森林組合が請け負ってくれます。)
②NPO的気楽さのボラバイト、NPV活動として小遣いレベル(晩酌代・たばこ銭)にしかならない(このケースは、赤字覚悟で組合員のため森林組合が請け負ってくれる場合もありますが、ほとんどは請け負ってくれません。)
③はたまた純粋で楽しいボランティア活動として無報酬・手弁当なのか(このケースは、森林組合が請け負うことはありません。)
の三択になると思われますが、どれになるかは「木材価格」と「コスト」との相関関係<バランスシート>で決まります。
◆26・NPV活動フィールド/
坂本さんちの森
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[追加整備活動]
風等木を処理した後、坂本さんから町道沿いの支障木伐採の話がありました。坂本さんが森林組合に相談したが、やはり話がまとまらなかったので、後日森援隊の独自活動として実施することに。
・平成27年11月11日(火)
森援隊の特別活動としての「坂本さんちの森」町道沿いの支障木伐採。広葉樹/クリ&ヒノキを伐採。薪原木&A・C材を「木の駅ひだか田野分駅」の山土場に搬送。
以後、山脇、片岡両氏に特別支援活動を要請し実施する予定であったが、両氏の予定が中々かみあわず実施が延び延びになっていたところ、町道改修の期限がせまったためか、坂本氏が業者に依頼して実施したので、「坂本さんちの森」追加整備活動は終了。
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■土佐の森方式による森林整備活動/実践事例
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事例1>
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事例2>
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事例3>
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事例4>
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事例5>
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事例6>
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事例7>
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事例8>
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◆
土佐の森方式による森林整備活動(佐川編)
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