発信<2017.1.2.10.7>
これまでの(今だ、現在の)「林野庁政策」は予定調和論に基づくものです。「予定調和」という言葉は、元来は林業とは全く関係のない哲学用語ですが、戦後の林野庁政策の基本理念に据えられてからは、林業関係者の間では「林業用語」と思われるくらいの言葉になりました。
自伐型林業は、これまでの予定調和論型林業から決別する考え方です。
自伐型林業「自伐」とは、自らの森林を、(国策の予定調和論によらない)自らの考え方で、自らが伐採(経営)することです。
施政方針演説(安倍晋三首相/2018.1.22)・・・・・・・・・・・・・・・・・
[論点]
■森林・林業白書
いまだに、50年サイクルの施業体系で森づくりを行う「予定調和論型林業」の道を突き進む林野庁の「平成26年度森林・林業白書」に、日本唯一にして日本一の森林ジャーナリストとして知られる田中淳夫氏が疑問を投げかけています。
詳しくは・・・コチラ
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■環境と林業(鈴木章氏/NPO法人杣の杜学舎代表 )
私たちが大学で学んだ林学では「適切な林業活動を行えば、森林の持つ公益的機能も発揮される」と教えられてきました。つまり、林業と森林環境は適切な管理のもとで林業活動を行うことにより両立する。これを「予定調和論」と呼び、「林業」と「環境」を考える上での基本としてきました。しかしながら今、林業の現場ではこの前提が崩れかけています・・・続きは、
ここから(森林を守る/林業の現場から「環境と林業」より)
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[参考]
■予定調和? (南寿吉/2015.2.1「暮らしの情報364号」より)
森林・林業再生プランは、国策の予定調和論型林業の誤った制度設計をがむしゃらに推し進める政策ですが、今また国策として、それを上回るような森林・林業政策が推し進められようとしています。木質バイオマスエネルギー資源を使っての大規模木質バイオマス発電事業に関わる政策です。
森林・林業再生プラン間伐跡地の林地残材(C材)などの未利用木質バイオマス資源を活用するのであれば、それはそれである程度は意義・大義のあることですが、主伐(皆伐)して、本来なら主伐材=A材として利用されるべき木材までバイオマス資源として扱うという無茶苦茶な制度設計が行われようとしています。
大規模木質バイオマス発電事業NHKクローズアップ現代/2015.2.17放送◆急増する皆伐
鹿児島から伊丹へ向かう窓から見えた、激しく皆伐された山林です。霧島を過ぎると見えてきましたので宮崎県内でしょうか。最初のエリアは3割が既に皆伐されているような感じです。又、国策で莫大な補助金を使っての再造林がなされても、向こう40年生産ができません。かなり荒い間伐施業地もありました。
大規模な発電が九州は乱立しています。この発電所は間伐して林地残材を出荷する人を増やす取り組みを全くせずに動き始めています。さらに増える状況となるでしょう。全国的に、このような「大規模発電の計画」が目白押しとのこと。こういうのは気が滅入りますね。(中嶋)
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■林業新時代(編著:家中茂/鳥取大学准教授)
林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来(シリーズ地域の再生/第18巻)大規模・高投資・高性能機械で材価も環境も破壊する集約化政策を超え、小規模・低投資・小型機械で仕事をおこす。
1 土佐の山間から――始まりへの予感
2 日本の森林の現実と研究及び政策との乖離
3 NPO法人「土佐の森・救援隊」を淵源とする「自伐林業」運動の全国への波及
4 自伐林業運動の展開
5 未来につなげる「責任ある林業」
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