[コード番号2010.12.29.21.04]
土佐の森・文芸(随筆)
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■タンコロ火鉢が生け花展に使われる!
平成22年10月に行われた第4回薪祭りの際に「土佐の森・薪倶楽部」に加入してくださった、いの町T病院の院長夫人から10月末に「タンコロ火鉢」数個の電話注文を受けた。
おそらく仲の良いグループ同士で、野外でのお茶沸しとか明り取りとかに使うものという先入観で納入先とかを詰めていたが、どうも話が噛み合わない・・・うーん?
あれこれ話しているうちに、やっと使用目的が判明。生け花展示会で使うという・・・ん???
しかし、この段階でもまだ展示会場で火を使うパーフォーマンスでもやるのかと煙にまかれたように気持ちになっていたら、なんとオブジェとして使うという。火のないところに煙は立たないというが、これでやっと納得した。
正式注文先の小原流生け花は、こうした異端の展示をする流派なのかなと感じていたが、「高知生け花県展」の展示期間中、高知市九反田にある「かるぽーと」7階の展示会場に出向いた田植さんによれば、実に立派な存在感のあるユニークな展示ぶりであったとのこと。
せっかくですので、ここに皆様方にこのセンスの良い異端の使われ方を写真でご紹介します。
なお、高知新聞の夕刊(10月29日)でも、このタンコロ火鉢は大きくカラー写真で取り上げられていました。取材記者の感性をも刺激したと思われます。
【写真】かるぽーとでの生け花県展での小原流の作品(撮影:田植光男氏)
続いて、本来のタンコロ火鉢の製作方法などの情報を提供します。
よく乾いた杉丸太(直径は20cm内外で可)の縦方向にチェンソーで、8方に割れ目を入れます。全体長さの7~8割程度までの切れ目長さが通常です。
なぜ8方向なのかというと、4方あるいは6方ではうまく燃えないという経験則からですが、隙間から流入する空気量バランスがちょうどよいという理屈です。
もともとは北欧で使われていたという説(スエーデントーチ)がありますが、高知県内では四万十樵塾&こうち森林救援隊の秋森さんが始めました。
この火鉢の面白さは着火の容易さです。天頂部でのほんのひと握りの新聞紙あるいはチィッシュペーパー1枚でもすぐに燃え上がるのです。
お茶を沸す時間くらいなら頂点部の形状も燃え尽きずに茶瓶を支え続けることが可能です。長さ1mもので、ざっと40分程度の火持ちです。
【写真】いの町本川の西日本高速道路㈱のイベントで活躍したタンコロ火鉢
タンコロ火鉢のご用命は「木の駅ひだか」に。(電話:0889-24-5444)サイズはいかほどでも取りそろえます。価格はご相談で。
特に燃え尽き症候群の方々には癒し効果抜群としてお勧めします。・・・ん?(片岡正法/NPO法人土佐の森・救援隊理事長)
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■杉のタンコロ火鉢
これはなんだかわかりますか?
材は杉で、造材し余った根元部のタンコロです。これを立て、チェーンソーで8等分刻みを入れます。刻んだ切れ目に紙を入れ火をつけると、中心部からじわじわ燃えて、このように火鉢の代わりになります。素晴らしい!
結構な火力で2時間ほど持ちます。タンコロは丸太のイスに使うのが相場ですが、なんとガスコンロの代替えになるとは!燃え残った灰はピュアそのもの。庭の畑へ。新たな木質バイオマス利用の知恵です。ゴミにもならずキャンプには最適ですね。(中嶋健造/タンコロ火鉢評論家)
【写真】こうち森林救援隊の野外交流会
こうち森林救援隊では毎月の定例会では欠かさず交流会(おきゃく)を行っています。その交流会に必ず登場するのがタンコロ火鉢です。
ほのぼのとした炎を灯すタンコロ火鉢。何とも言えない優しい炎は、時の経つことさえも忘れさせてくれます。もう、最高・・・!(中川睦雄/こうち森林救援隊事務局長)
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