2011.4.10.21.53
■土佐の森方式軽架線研修会に参加して

【写真】林地残材を集積する八尋さん
土佐の森・救援隊のボランティア活動には、既に何回か参加しているが、軽架線のシステムや張り方など、まだまだ基本的なことはわからない。そこで、軽架線研修会(平成22年11月7日/いの町成山)に参加することにした。
自宅から研修会場の「いの町成山黒田さんの森」までは、1時間半近くかかる。以前、行ったことはあったのだが、間があいたため、記憶が定かでなく、途中で道を間違えて、会場到着が集合時間から30分以上も遅れてしまった。
小雨降る中、軽架線の研修会は既に始まっており、会員のベテラン指導員がそれぞれの持ち場について研修生の指導に専念していた。遅刻した私が、暫く手持ちぶさたに眺めていると、早速、総括指導員から『八尋さんは林内作業車の操作の仕方を習って下さい!」ぼーっとしてるんじゃない…ってことですね、了解!!冗談抜きに、集中力がなくなると、森の中ではケガしてしまう。
本日、林内作業車の操作指導をしているのは、土佐の森・救援隊の長老、軽架線生みの親という好永宏郎指導員。林内作業車を自在に操る様は、何回見ても、格好いい! 林内作業車は、間伐した材を引き上げ、トラックの荷台まで運搬する役割がある。
まずは間伐跡地に散在する林地残材を、軽架線と林内作業車のウィンチで、道の端まで引き上げて集める作業だ。先端部担当の4名のスタッフ(研修生を含む)は、下の林地にいて、ワイヤーを残材の端にひっかけて、「引っ張り上げろ!」のサインであるホイッスルを吹く。
林内作業車担当スタッフが、指導教官・好永さんの指揮下、林内作業車のウィンチのレバーを入れて、ワイヤーを巻き取っていく。巻き取りの部分は、ちょうど、鉄製の糸車のようになっている。この糸車にワイヤーが巻き取られていくとき、「ちゃんと、きれいに巻き取られていくように、(糸車の端の部分を)すこし、手で押さえておかないと駄目なんだ」…と優しく、土佐弁で教えてくれた。

たしかに、この糸車にワイヤーが絡まってしまい、ウィンチが動かなくなる場面を、何回か見たことがある。そうなると、鉄製のワイヤーだけに、非常にやっかいなのだ。作業が全部中断してしまう。好永さんは、そのようなことが起こらないように、作業の折を見ながら、ワイヤーをすべて初めからまき直したりして、実に繊細に丁寧に操作しているのだ。側で見ていると、なるほど、そういうことなんだ、と納得する。
【写真】林内作業車の操作を研修する八尋さん(右端)

しばらくして、私は林地内の集材班に配置替えになり、斜面を下っていった。ワイヤーの端を、斜面の下で待機している研修生に渡して、また上る…という作業を、ひたすら繰り返す。
小雨がぱらつき、急斜面で足場が不安定なため、ワイヤーを引っ張っていくだけで、滑って尻もちをつく。雨合羽が泥だらけ。単純な作業の反復なのだが、何だかちょっと楽しい。「八尋さん、遊んでますね」と軽架線の鬼教官?【写真・右】といわれている片岡正法さんに冷やかされる。
間伐された大きなスギやヒノキが、ずるずると、ワイヤーで斜面を 引き上げられていく。だんだんと、木が上っていく後に、道のようなものができる。このプロセスを眺めているのも面白い。飽きない。
材が道端に近づくと、「止めろ!」の合図の笛。ピンと張り詰めた軽架線のワイヤーが徐々に緩む。材にワイヤーの端がからまって、取り外しづらいときも、好永教官は「ちょっと待っときや」と研修生の脇まで来て、楽に外せるように指導してくれる。
次は、道端に集まった材をトラックの荷台に載せる作業。材をワイヤーでまとめてウィンチで上げ下げしているときに、作業しているスタッフ・研修生がケガをしないように、的確に操作してくれる。あ~、こんな「林内作業車の達人」になりたい…。
軽架線のシステムは実にシンプルで簡単だ。これなら、自分でもできるかもしれない、と思わせてくれる。
でも、何よりも、土佐の森・救援隊がすごいのは…こんなベテランたちが元々はボランティアから始まった素人の集団 だったということ。そして、私のようなアマチュアであろうが、若い女の子でもあろうが、誰でもいつでも快く受け入れて、惜しみなくスキルを教えてくれる、というのが素晴らしい…と改めて思った一日だった。
(八尋哲哉<本山町>/本山町地域おこし協力隊)
◆土佐の森方式軽架線研修会

【写真】土佐の森方式軽架線に挑む八尋さん・・・
土佐の森・救援隊は土佐の森方式軽架線実践技術研修会を毎月第1日曜日に開催している。(この研修は森林環境税を財源とする「幅広く県民からの参加を募る森林保全活動事業」<高知県山林協会>で実施しているので、県職員など特に森林・林業関係公務員の率先しての参加を募ります!現在は公務員(本山町)の身である八尋さんは土佐の森方式軽架線の奥義を会得するため、12月の研修会にも、率先して参加することにしています。)
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軽架線研修会のレポート(片岡正法)
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八尋隊長の自己紹介

■ 生年月日 : 1958年4月20日
出身地 : 福岡市東区
趣味 : サッカー鑑賞、英語、iPad
特技 : 知らない人の話を、うまくまとめて、わかりやすいtextにすること
担当業務 : まだよくわかりません。
大学から東京に行き、映画会社に3年、出版社に26年勤めて、昨年退職。フリーランスで活動した後、たまたま、平成22年4月に本山町の求人(
総務省の地域おこし協力隊)を見て応募したら、書類選考のみで合格し、あれよあれよという間に着任した次第です。(ブログ:「
本山町地域おこし協力隊」より)