森林を持続的に管理するため、NPO法人土佐の森・救援隊(高知県いの町・中嶋健造理事長)が約10年前に提唱し、全国に広めている・・・続きは、
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[参考]
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blog自伐型林業
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論壇「自伐型林業」(中嶋健造氏)
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森林ジャーナリスト田中淳夫氏と自伐型林業
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自伐型林業について(自伐型林業推進協会)
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[新聞を読んで] 森援隊長 松本誓(高知市)
この新聞記事は、「山林管理を森林組合などに委託せず、所有者や地域住民らで行う「自伐型林業」が全国的に注目されている・・・」から始まり、読み進むと結びに「自伐型林業には長期的な取り組みが求められる。仮に個人での独立が難しければ、組織化し、会社形態で雇用するなどの方策が考えられる・・・」とある。
かって、日本の林業は「自分の山は自分で管理する=自伐林業」であり、自分ひとりで出来なければ寄り合い(結い)で行うという形態でなされていた。「寄り合い」を組織化したものが、かっての「森林組合」。戦後、長い戦禍で荒れ果てた日本の山林を再生(管理)すべく、その「森林組合」を林業の唯一の担い手と位置づけ、会社(企業)形態で雇用確保を第一義的に、「予定調和論の森づくりを基本理念とした国策」として林野行政を推し進め、今日に至っている。
昭和39年の林業基本法を出発点とする「国策としての林業」は決して政策的には間違ってはいなかったと思うが、木材価格(A材であり、C材の価格は別物)の低迷(価格が「限界価格」を割り込むという状態)により既に破綻しているといっても過言ではない。
「国策林業」の対極(真逆の取組み:注1)にある「自伐型林業」の求められるこれからの取り組みとして「組織化し、会社形態で雇用するなどの方策で行う」ということは、既に行き詰っている「林野行政の出発点に立ち戻るだけ」ということであり、現在混迷の極みに達している森林・林業問題を解決する方策にはなりえない。
自伐型林業の取組みは、(長期的であろうが短期的であろうが、現在の状況下では)個人でNPO的に行わざるをえないが、それよりなにより何故に「大規模に集約し、組織化し、会社(企業)形態で雇用する方策」が破綻し、その真逆にある「ひとり親方(個人)形態で就労はあるけど雇用なし」の自伐林業(自伐型林業)が地方創生の切り札として全国的に注目されているのか、林業新時代(注:2)の黎明期といわれる今こそ、その深遠を考えなければならない。
【写真】滋賀県長浜市の地域おこし協力隊員らに作業の説明をする
キコリンジャー=左端。自伐型林業を視察する団体が増えている(高知県高岡郡佐川町古畑耕)
注1:
真逆の取組み(フォーラム「我が国森林・林業の再生をいかに進めるか」)
注2:
林業新時代(家中茂氏/鳥取大学准教授)
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[ひとくちメモ]
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自伐林業とは?
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■林業新時代(編著:家中茂/鳥取大学准教授)
「
林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来」(シリーズ地域の再生/第18巻)
大規模・高投資・高性能機械で材価も環境も破壊する集約化政策を超え、小規模・低投資・小型機械で仕事をおこす。
1 土佐の山間から――始まりへの予感
2 日本の森林の現実と研究及び政策との乖離
3 NPO法人「土佐の森・救援隊」を淵源とする「自伐林業」運動の全国への波及
4 自伐林業運動の展開
5 未来につなげる「責任ある林業」
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あらまし
出版元は「
農山漁村文化協会」でネットで購入できます。
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