■日本林業

【写真】魚梁瀬千本山保護林(高知県馬路村)
日本林業の人工林の歴史は古く、奈良吉野や鳥取智頭では室町時代や戦国時代から植林が始まったのではないかと言われています。高知県でも魚梁瀬千本山は天然杉ということになっていますが、藩政時代の素晴らしい山林保護管理思想の賜物(次世代に残された優良森林)であることには間違いありません。
戦時中の乱伐、森林未整備により荒廃した山林の復興から始まった戦後の「日本林業」は、国策として『林業基本法』を軸とした予定調和論型林業を推し進めてきました。日本のあらゆる産業が高度成長を成し遂げるなか、林業という産業も強力な国策に支えられて同様の成長を続けてきましたが、昭和の終わり・平成の始りの頃には
林業の構造的な欠陥(注:1)が露呈しはじめ、産業として生き残れるか、衰退産業として消えてしまうかの岐路に立たされました。
秋はまさに、
本質的な林業の構造改革(注:2)を実施するか、はたまた既往路線(
予定調和論型林業)を進めるかの分岐点であったと考えられましたが、国策としては後者を選び「森林流域管理システム」の導入、それに続く「新林業生産システム」、「森林・林業再生プラン」へと続いて、今日に至っています。(戦後、国策として強力に推し進められてきた「拡大造林政策」は、この時期には、さすがに「中止」ということになりましたが「拡大造林をやめた」というだけのことで、その理念となっている「予定調和論型林業」はそのまま引き継がれました。)
(注:1)林業の構造的な欠陥
林業のみならず第一次産業の構造的な欠陥とは、産業としての経済活動、商業活動の根底となる「物の価格=物価」に対して無頓着であり、さらに「営業活動の鍵となる価格決定のメカニズム」などを蚊帳の外に置いた産業体質のことをいう。
(注:2)本質的な林業の構造改革
戦後の国策(予定調和論型林業)として行政が一貫して行ってきた「林業の構造改革」は、インフラ整備(基盤整備)と資本装備(森林組合の経営強化)であったが、それだけでは林業の構造的な欠陥を克服することはできない。本質的な林業の構造改革とは、そういった林業の構造的な欠陥を克服することが出来うる改革のことをいう。「価格」及び「価格決定のメカニズム」に真摯に向き合い、「構造改革」をすすめなければならない。
フォーラム「我が国森林・林業の再生をいかに進めるか」 予定調和論型林業 ====================
[参考]
HP:森林・林業学習館より日本の林業の現状
◆戦後の拡大造林政策
この戦後に始まったこの(日本国)政策は見直されることなく続けられてきました。昭和が終わり平成が始まる時代、その構造改革・大転換が必要でした。平成8年にようやく拡大造林政策には終止符が打たれましたが、木材輸入の自由化、そして外材需要の増大の影響で、膨大な人工林と借金が残りました・・・
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昭和・平成と日本林業(人工林)は脈々と続いてきましたが、次の新しい世も「昭和・平成の日本林業」をそのまま続けるようです。新しい世の日本林業は、新しい世の日本林業(近自然の人工林)であってほしいものですが・・・。
安倍首相の所信表明演説/2018.1.22昭和という時代は「
川の流れのように」とともに去り、平成という時代に「
時代おくれ」といわれながらも日本林業に取り組んできましたが、その平成も終焉しました。(松本)
雑念の森(竹内一/高知新聞)
本来あるべき自然の森の姿は雑然としているはずで、
森林問題を考えるなら「雑然とした美しさ」を深慮し、人間が関わる森(人工林)については雑然の森(自然林)に近づけるような施業を行うべきと考えます。
昭和の終わり、平成の始まりの頃、予定調和型林業に抗し流された、はたまたNPO法人土佐の森・救援隊の設立に奔走した
珍念さんが「近自然林施業」を提言しています。
珍念さん
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