■竹林整備での独立採算の道を模索して・・・、
昨年の暮れから、整備を続けてきました高知市土佐山(夢産地パーク西隣り)のフィールド(孟宗竹林)ですが、この日で回を重ねること何と8回目(延64人役)となりました。
山主からの事業経費拠出(山主負担)はないことは勿論のこと、企業(竹の買い取りを除くCSR的支援)や行政(竹林整備補助金)からの支援にも頼らず、「土佐山竹材センター」への搬送・出荷による収入のみでの事業運営を目指して取り組んでまいりました。
が、末口直径10cm近くで2m余りの竹の引き取り単価が10円や50円の世界では、残念ながらボランティア活動とは云え、到底やっていけないことを立証する結果となりました。
この日、8名のオンちゃん達による伐採・搬出・栽材・積載の作業を経た後の竹材センターへと搬送・出荷された竹材は、レクサスのハンドル用の竹が77本(単価300円)、その規格に達しなかった集成材用の竹が44本(単価50円)でしたので、合計25,300円にしかなりませんでした・・・(>_<)
(しかし、25,000円の原資を「モリ券基金に出資」してモリ券を入手すれば、8名の参加者にモリ券を1人当たり3枚発行することができます。これが
土佐の森方式NPV活動=
ボラバイトです。)
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竹林整備編
【写真】独立採算の結果を知ってか、オンちゃん達の表情の何と暗いことか・・・(>_<)
実は、陽が当たっていなかっただけでして、心の中は透き通るように明るく爽やかな仲間たちばかりでございますので、ご安心くださいませ~!(^O^/中川)
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[解説]
こうち森林救援隊も、日頃(平日)は、オンちゃん部隊を中心に「
土佐の森方式による森林整備活動」を実践していますが、スギ・ヒノキ人工林の整備(間伐)ではなく、今回、竹林整備を行って森林整備の独立採算(企業的経営)が厳しいことに気がついた(難しさを立証した)ようです。
(今回の活動で出荷した竹の総本数は121本です。1本の竹<末口直径10cm、長さ2m>の重量は如何ほどでしょうか。1kg位でしょうか?もし1kgあると仮定したら総重量は121kgになります。kg当たりの単価は「209円」(100g当たり20円)。この単価が良いのか良くないのか?・・・こうち森林救援隊は、この単価では、「ボランティア活動とは云え、到底やっていけない」と結論づけています。)
現在、森林組合(企業)などが行っている人工林の森林整備(皆伐、間伐)の経営の独立採算性を考えたとき、木材(A・C材問わず)のkg当たりの単価は如何ほどになっているのか?如何ほどのコストをかけて林業経営をしているのでしょうか?
木材の単価はm3<近頃のバイオ資源はkgになっています。100%近い含水率でm3≠1トン>で表示しますが、現在の木材単価はm3当たり、A材で1万円~2万円、C材で3千円~6千円。kg当たりに換算すると、A材で「10円」~「20円」、C材で「3円」~「5円」ということです。(ちなみに、「木の駅ひだか」で販売している「薪」の価格はkg当たり「30円」。)
竹の引き取り単価は10円や50円の世界とのことですが、木材の単価は3円や30円の世界なのです。これでは、どのように生産効率を上げて、コスト削減を図っても、「やっていけない世界」なのです。
竹林整備もそうですが、森林整備(林業)における仕事(伐採・搬出・栽材・積載・搬送・出荷作業<森林ボランティアでは「活動」といっています。>)の企業的経営が限界を越えて、どんなに企業的経営努力をしても(作業効率を向上させてコスト削減をしても)「やっていけない世界」入っているけれど、補助金や支援金・助成金で何とかやりくりをしているというのが「
日本林業」の現実と考えます。
土佐の森グループがこのような作業(活動)を、「土佐の森方式の森林ボランティア活動=NPV活動」で行わざるを得ない所以です。
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竹林整備の次は「大杉伐採編」だそうですが、A材を原木市場に搬送するようですので、大杉伐採編の「収支計算」=「バランスシート」を公表していただきたいもの。
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大杉伐採編
【写真】搬出作業と並行して、原木市場への搬送用としての3m材としての栽材も行いますので、手間のかかる作業(活動)となりました。
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[参考]
■バランスシート
「土佐の森方式の森林ボランティア活動=NPV活動」のバランスシートは、かって土佐の森グループの「吉野川森林救援隊」を引き継いだ「もとやま森援隊」がデータ取りをしたことがあります。
◆「
もとやまC材祭り」(10.3~11.30)
土佐の森グループとのコラボで9回行いました。今回の一連の活動は、本山町の地域おこし協力隊のメンバーが「自伐林業を実践したら・・・」というテーマで実証/実験事業を企画・実践したものです。
事業の実施主体は吉野川森林救援隊(本山町地域おこし協力隊)を引き継いだ「もとやま森援隊」&「木の駅ひだか」。
もとやま森援隊が主催する「森林ボランティアNPV活動」として隊員を募集し、多くの方の参加をいただき(延べ61人)、実質9日間、間伐・搬出・運搬活動を実施しました。
その間、自伐林業での経済的効果などのデータ取りを行いました。
続きは、
ここから【イラスト】
C材で晩酌を!事業(画:四井玲子氏、文:
浜田久美子氏)
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