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土佐の森・文芸 融通無碍
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[第15話] 最後の魚梁瀬杉<稲田広喜>
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2018年1月24日「最後の魚梁瀬杉丸太6本」の競り。帽子姿の稲田広喜さんが手を上げた。
◆高知の宝 使命感で買う
競り人は「天スギ」と呼ぶ。土佐の天スギと言えば馬路村の山深くに古来育った天然魚梁瀬杉だ。
2018年1月24日は天スギの最後の大競りとなった。
国直轄事業として明治時代から伐採が続き、日本の林野会計を支えた杉は枯渇。残り少ない貴重な魚梁瀬杉は保護することとし、前年の伐採で得た58本の魚梁瀬杉を「最後の競り」で売ることとなった。
競りのハイライトは、最も直径の太い樹齢234年の巨木。この1本を各2~4メートルの丸太にした計6本。
買うスタイルは人さまざま。金額が上がるたび、視線で合図する人。自分の胸を指す人。指を出す人。競り人の足を下からこっそり触る人。
「こんな高値じゃ買えんわ」と、つぶやき声。
古参業者ばかり、100人以上が集っている。見慣れないおじさんが一人、手を上げた。じかに手を上げるスタイルの人はまずいない。
「誰や?」
稲田広喜さん。高知県津野町烏出川に暮らし、林業などを営む。
「もう根っから、木が好きで好きでたまらん男じゃき」
最後の魚梁瀬杉***************

最後の魚梁瀬杉を落札した稲田さんは、四万十川の源流にほど近い高知県津野町で、奥さん(稲田幸子さん)とともに「
天空の茶園(曙茶)」を立ち上げ、長年営んでいます。
平成15年、NPO法人土佐の森・救援隊が四万十川の源流域にある「県立四万十源流センター(津野町)」で発足し森林整備活動を開始したときに、稲田さんは「木が好きで好きでたまらん男じゃき」ということでチェンソー片手に活動に馳せ参じてくれた地元代表のような方でした。(NPO設立当初の会員は高知市近辺、仁淀川筋の方が多く、地元(津野町・梼原町)の人はほぼ皆無でした。)
天空の茶園(曙茶)稲田さんは、設立当初からの正会員であったとともに、当時は「
曙茶業組合」がモリ券システムの「賛助会員」でした。
賛助店舗(曙茶業組合)・・・・・・・・・・

◆最後の魚梁瀬杉=魚梁瀬林業の終焉
魚梁瀬林業の終焉とは・・・戦後、国策としてすすめられてきた、これまでの
日本林業(A材林業)がすでに破綻している、ということを象徴しています。

魚梁瀬千本山保護林(高知県馬路村)
日本林業 *****************
◆樹齢500年の丸太、どんっ!!(<2024.9.5/高知新聞>)

愛媛方面へ抜ける津野町の国道197号沿い。烏出川のトンネルを抜けると右手、車に負けないほど大きな丸太がどんっ、と横たわっている。根元の直径は大人の背丈をゆうに超え、中心はうろになっていて、生きてきた時の長さを物語る。
「ここは何かがあったんじゃ」。津野町の林業家、稲田広喜さん(74)が、年輪のうねりを指でなぞった。「地層の収縮が起きるような、地球の事件が…」。これはスギ。こけむした皮は分厚く、根回りの直径は2・7メートルにもなる。
樹齢500年の丸太、どんっ!!**************
ブログ
土佐の森・文芸/融通無碍(南寿吉著)

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南寿吉先生の遺作(高知新聞/2021.7.2)2024.02.29.22.59