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[史料] HP/日本の歴史ガイドより
◆龍馬の手紙
岡本健三郎宛て
【原文】
唯今は御使被下難有、然ニ越前行は今日出達仕候よふ、後藤参政より昨日申被聞候。是も、もの〃ついでに鳥渡聞候事故、今日四ツ時に彼是取遣候為、私より後藤の方参り候はずニ致候。大兄御同行のことはまだ不申候得ども、今日は申出シ必御同行と存居申候。夫であなた及私し家来一人〆三人ニて今日出足七ツ時頃よりも出かけ致度、其御心積ニて、先キ触大津の方迄御出し可被遣候よふ御頼申入候。秘ニ聞ク、越前侯は廿八日国を発シ上京と。夫で我等はよふ出足を急所也。先は早々、頓首。廿四日龍健三郎先生梅太郎左右
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【現代文】
ただいまは、お使いを寄こして下されてありがとうございます。
越前行きは今日出立するよう後藤参政(後藤象二郎:土佐藩高官)から言われました。
これも、もののついでなのでちょっと聞いて下さい。今日四ツ時(夜10時)にこれを取りに来るために後藤の方から伺いに来ます。
大兄(岡本健三郎:土佐藩士)御同行の話はまだしてませんが、今日話すので必ず同行出来ると思います。
それであなた及び私の家来1人~3人で今日の朝7時頃に出かけましょう。そのつもりでいて下さい。先に話した大津の方までお越し下さい。
内密に聞くが、越前侯は28日に国を出発して上京のようです。
なので我々は急いで向かわなければならない。まずは早々に。
24日 龍馬
健三郎先生へ(岡本健三郎:土佐藩士)
・・・・・・・・・
幕末足軽物語 樋口真吉伝完結編<「幕末足軽物語樋口真吉伝完結編」ではP299>
慶応3年10月24日
坂本龍馬は
後藤象二郎の依頼で山内容堂の書状を持って越前福井藩へ出向き、松平春嶽の上京を促して三岡八郎(=由利公正)と会談した。
後藤 象二郎(融通無碍/人物評伝)======
[融通無碍]
龍馬が下横目・岡本健三郎に見張られながら越前福井藩へ向けて出発。
龍馬の福井訪問の目的は、
①大政奉還後の政治体制について
松平春嶽の考えを聞くこと。
②新政府の財政問題の解決方法を三岡八郎に聞くこと。
松平春嶽(融通無碍/人物評伝)新国家には春嶽の力が必須であるため、本来なら後藤が行くべきところ、後藤は大政奉還の顛末を山内容堂へ報告するため帰国しなければならず、代わりに後藤が龍馬を派遣した。
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◆龍馬、越前・福井に行く
龍馬は福井で三岡八郎(=
由利公正)に会い、新政府樹立後の経済運営と財政についてコタツに足を突っ込んで語り合う。
八郎は藩によって逼塞された身の上だったから監視役がつき、龍馬にも同様の岡本健三郎がいる。
二人の相談事はコタツで足を暖めながらだったが、監視と見張りはその様子を遠巻きにして見るだけで「たまらん程ひやかった」との健三郎後日談がある。
三岡八郎も
「この出会いで龍馬から写真をもらった。その後川に落としてなくしたが、思えばそれは
龍馬が暗殺された晩だった」と言い残した。
龍馬暗殺(融通無碍/関連話)由利公正(融通無碍/人物評伝)
謹慎中に坂本龍馬の来訪を受けて交流を深める。坂本とは新政府が取るべき経済政策について談義し、このことが
明治新政府への参画を求められたことへ結びついたのだと後に語っている。
明治新政府(融通無碍/関連話)====
[余談]
坂本龍馬が伏見の近江屋で暗殺された時、岡本健三郎も同席していたという。
襲撃・暗殺の直前に別用で退席したため、難を逃れている。
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余談の余談になるが・・・
民撰議院設立建白書が出されて150年、
自由民権運動は明治7年1月17日、幕末に活躍した板垣退助・後藤象二郎・
岡本健三郎・古沢迂郎(土佐藩士)、江藤新平・副島種臣(佐賀藩士)、
由利公正(福井藩士)小室信夫(徳島藩士)の8人が連署して「民撰議院設立建白書」を明治新政府に建議して始まった。
幕末足軽物語/関連話・特集版②(民撰議院設立建白書)ーーーーー
さらに、余談の余談の余談の「もしも話」になるが・・・
歴史に「もしも・・・」は禁物であるが、あえて言わせてもらえれば、
龍馬は由利公正と会談した1カ月後(慶応3年11月15日)に暗殺されている。
もしも龍馬暗殺がなかったら、明治7年1月の「民撰議院設立建白書」の会合には、(9人目の署名人として)龍馬が加わっていたかもしれない。
また、龍馬が暗殺された日は中岡慎太郎とともに岡本健三郎も同席しており、刺客が来る寸前に所用で席を立ち暗殺を免れたという。
もしも龍馬、慎太郎とともに岡本健三郎が暗殺されていたら、民撰議院設立建白書の署名人は7名であったかもしれない。
さらに、龍馬暗殺から3年後(明治3年6月14日)に、真吉は歴史の海に沈黙の森に旅立っている。
もしも真吉の「
最後の旅立ち」がなかったら、10人目の署名人は真吉であったかもしれない。
最後の旅立ち(融通無碍/関連話)**************
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土佐の森・文芸/幕末足軽物語(南寿吉著)

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