20年3月16日、奥物部の三嶺山系に登り、見聞を深めるための森林保全活動に参加してきましたので、報告します。
この活動は、シカの食害に悩む2団体(三嶺の森をまもるみんなの会、高知中部森林管理署)の呼び掛けにより、140人ほどのボランティアらが参加し、今回は希少植物を守るため、高さ1.8mのシカの立ち入りを封じるネット張りを4箇所で実施したもの。
私の場合、前日15日の我がNPO定例会の懇親会に心を残して日帰りし、早めに就寝。当日の早朝、眠い目をこすりつつ、四国森林管理局に集合して6時にチャーターバスで出発。香美市大栃の奥物部ふれあいセンターで、参加者一同が集合して主催者挨拶や、班分けを行い作業内容の説明後、再びバスに分乗、1時間掛けてヒカリ岩の登山口に到着。
ここから各人数キログラムの資材を分担して持ち、結構険しい山道を2時間掛けて、峰線が間近に見える担当エリアのカンカケ谷(標高1400m)にやっと到着。一辺が12mほどの正方形状の区画にプラスチック製ポールに順次ネットを固定して、張り巡らしていき、1時間ほどで作業は完了。軽く汗を流した後の弁当のうまさ!
県下でも数カ所でしか見られない「○○イヌバイ?」とかアザミ類の貴重種をシカの食害から守るためとの主催者説明でしたが、大きな目でみれば、ほんの点のようなもので、継続的なアクションがまだまだ必要と感じた次第。
数年前から、三嶺の源流域が荒れているという心配な情報もあった中、増えすぎた数万頭というシカがウラジロモミやカエデなどの木幹の皮を剥いで枯らし、あるいは希少植物を食い荒らし、種の絶滅を招こうとしている危機状況を目の当たりにし大ショックでした。
また、ツキノワ熊が皮を食いちぎった痛々しいヒノキの大木も見かけたりで、獣類が森林荒廃や山腹崩壊を招く現場を如実に見て、動植物の食物連鎖のバランス、共生のあり方に思いを巡らせました。
一方、参加者の中には、こうち森林救援隊でよく見かける高知大の後藤君や牧野植物園の田邊さん、県海洋部の宮地さんらの顔も見えました。大学生や登山グループら結構若い人達の参加も多く、森林保全に思いを寄せるボランティアの層の厚さを心強く思いました。
その他の収穫は、往復4時間の山道でも、足が充分持ったことです。若いしにはまだまだ負けん! ん?!
(片岡正法<高知市>正会員/理事・不良債権担当)
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[写真]

渓流沿い或いは断崖絶壁の狭い道を荷物を背負ってふうふう登山、結構ハードな登り道です。

既に部分的に食い荒らされた希少植物群(カンカケ谷)。残雪の中、ここかしこにシカの糞が散乱。

ネット設置完成後の状況。